GEO/AEOで選ばれた、その次に起きること
前回は「AIの回答で、自社や店舗が候補に入るための情報設計」を扱いました。今回のテーマは、その一歩先です。AIは候補を挙げるだけでなく、条件を比べ、空き状況を確認し、予約・購入・問い合わせまで進めるようになります。
人間がWebサイトを読む時代から、AIもWebサイトを使う時代へ。
企業に必要なのは、AIに見つけてもらうことだけではありません。AIが迷わず仕事を完了できるWebに変えていくことです。
Cloudflareは何を作っている会社か
CloudflareはCDNやセキュリティで知られてきましたが、現在はWebアプリ、データ、AI、エージェントを動かす基盤まで広げています。
- Workers:サーバーを管理せず、WebサービスやAPIを動かす
- D1・R2・KV:顧客情報、ファイル、設定などを保存する
- Workers AI・Vectorize:AI推論や社内検索を支える
- AI Gateway・Agents SDK:複数のAIを安全に運用し、エージェントを作る
個別の製品名を覚えるより、「AIがWeb上で行動するための道路・倉庫・頭脳をまとめて用意している」と捉えると分かりやすくなります。
AIがお客様になるWeb
AI顧客の行動は、おおむね次の順番です。
- 検索する
- 条件を比較する
- 料金、在庫、営業時間などを確認する
- 予約、購入、問い合わせを実行する
Kitesurfは、この一連の操作をAIエージェントが行うためのブラウザとして紹介しました。人間向けの見た目が整っていても、料金や条件が画像の中にしかない、フォームの完了条件が曖昧、最新情報が分からない、といったサイトはAIが途中で止まりやすくなります。
Agent Ready Webの5チェックポイント
- 内容:商品やサービスの説明が本文に書かれているか
- 事実:料金、営業時間、所在地、在庫などが明確か
- 比較:違い、向いている人、選び方が分かるか
- 完了:予約、購入、問い合わせまで迷わず進めるか
- 鮮度:更新日と現在の状態が分かるか
これはAIだけのための対策ではありません。人間にとって分かりやすく、間違いにくいサイトを作ることとほぼ同じです。
AIが社員になる会社
顧客側でAIが行動する一方、企業側ではAIが社員のように働き始めます。Cloudflare OSはPC用のOSではなく、質問、資料作成、アプリ作成、業務実行、共有を一つにつなぐAIワークスペースとして整理しました。
Ask → Make → Build → Run → Share
Gadgetsは必要な小さな業務アプリをその場で作る考え方、GatekeepersはAIが社内データや外部サービスへ触れる際の権限と安全を守る仕組みです。
世界一賢いAIではなく、自社の働き方を知っているAI。
Cloudflareがつなごうとしている二つの世界
顧客側では、AIがお客様としてWebを検索・比較・行動する。企業側では、AIが社員として情報を集め、資料を作り、業務を進める。Cloudflareは、この両側を支えるインフラを作ろうとしています。
朝活会で行ったワーク
まず自社サイトを、内容・事実・比較・完了・鮮度の5項目で採点します。次に、自社業務の中からAI社員に任せたい仕事を一つ選びます。
- AI顧客が途中で迷いそうな場所はどこか
- 情報が古い、曖昧、画像の中だけになっていないか
- AI社員に渡すなら、どんな手順・判断基準・権限が必要か
最終問いは、「5年後、お客様の10%と社員の一部がAIだったら、今の会社のままで対応できるか」です。未来予測ではなく、いまのWebと業務を見直すための問いとして持ち帰ってください。