当日のデモで見えた「試作の速さ」

この回では、AIに参考となるWebサイトのURLや希望する雰囲気を伝え、会社サイトの試作を進める流れを紹介しました。ページ構成、見出し、文章、配色のたたき台まで一続きで作れるため、最初の案を目に見える形にするまでの時間は大きく短縮できます。

当日の例では、約1日で試作まで進められました。ただし、速く作れることと、信頼されるサイトになることは別です。

AIサイト制作の価値は「一発で完成させること」ではなく、試して直す回数を増やせることにある。

参考サイトは「設計の理由」を読む

参考サイトをAIに渡す時は、見た目をそのまま複製させるのではなく、良いと感じた理由を分解します。

  • 誰に向けたサイトか
  • 最初の画面で何を伝えているか
  • 問い合わせまでどの順番で説明しているか
  • 色、余白、写真がどんな印象を作っているか
  • 自社では何を残し、何を変えるべきか

文章、写真、ロゴ、独自の画面表現には権利があります。参考にするのは構成の考え方であり、他社の表現をそのまま使わないことが基本です。

公開後に必要な三つの運用

サイトは作って終わりではありません。

  • 事実の更新:料金、実績、営業時間、担当窓口を最新にする
  • 品質の確認:スマートフォン表示、リンク、フォーム送信を確認する
  • 改善の記録:問い合わせや閲覧状況を見て、説明不足を直す

AIは修正作業も手伝えますが、公開内容の責任者と更新手順は会社側で決めておく必要があります。

NDA確認でAIに任せてよいこと

秘密保持契約書の確認事例では、条文ごとの論点、相手案と自社ひな形の違い、確認したい質問、修正案のたたき台をAIに整理させました。長い文書の入口を作る用途としては有効です。

一方で、契約の有効性や受け入れるリスクの判断はAIだけで決められません。会社が許可した環境を使い、必要に応じて固有名詞や金額を伏せ、最後は法務担当者や専門家が確認します。AIの出力は法的助言ではなく、確認を始めるための補助資料です。

AIサブスクは四つの軸で選ぶ

複数のAIを契約すると、使っていない月額費用が積み上がります。次の四つを月に一度見直します。

  • 目的:文章、調査、制作、自動化のどれに使うか
  • 利用量:上限に頻繁に達するか、ほとんど使っていないか
  • データ:業務情報を入力できる契約・設定か
  • 乗り換え:成果物や手順を別のサービスへ移せるか

最初は月払いで相性を確認し、継続利用が定着してから年払いを検討する方が安全です。価格や上限は変わりやすいため、契約時には必ず公式ページを確認します。

まとめ

AIは、サイト制作、契約書の論点整理、日々の文章作成を速くします。しかし、目的、権利、機密情報、最終判断まで自動で引き受けるわけではありません。

まず一つのページを試作し、公開前チェックと更新担当を決める。契約書は論点表を作らせ、人が確認する。AI契約は四つの軸で棚卸しする。この三つから始めると、速さを実務の成果へ変えられます。